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ホルスタインとは?ホルスタイン(乳牛)は食べれないの?

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牛の種類のひとつとして「ホルスタイン」というものを耳にしたことがあるかと思いますが、ホルスタインがどんな牛なのかまで詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

 

ホルスタインとはどんな牛で食用なのかどうか?

調べてみたら実は日本で乳牛としてのシェアナンバーワンの品種で大量生産に適していて、一頭から採れる牛乳の量も非常に多い品種なんです。
ただし、牛乳の成分としてはほかの乳牛に劣る部分もあるので高級な牛乳ではありませんね。そして役割を終えたホルスタインは食用としても出荷されているんです。

 

ここではホルスタイン(乳牛)という牛がどんな役割を持っていて、さらには食べられることが出来るのかどうかなどについて、さらに詳しくご紹介していきたいと思います。ぜひこの機会に、実はとても身近な存在であるホルスタインについて勉強していってください。

 

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ホルスタインは乳牛の一種、どれくらい飼育されているのか?

まずホルスタイン(乳牛)という牛の品種ですが、こちらは「牛乳を生産するための乳牛」の一種です。

日本の食卓やスーパーなどの店頭に並んでいる牛乳のほとんどが、このホルスタイン種から採れた牛乳ということになります。

ホルスタイン(乳牛)は見た目が黒と白のまだら模様になっているもので、誰でも一度は目にしたことがある牛の品種です。

 

ホルスタイン(乳牛)の特徴や歴史について

現在、ホルスタイン(乳牛)は日本で飼育されている乳牛としては圧倒的に数の多い品種であり、その数は150万頭ほどとされています。

ホルスタイン(乳牛)はオランダを原産国とする品種で、元々は海外から輸入されてきた外来品種のひとつです。

ちなみに定期的に輸入されるようになったのは、明治時代の頃とされていますので100年ちょっとの歴史があります。

 

ホルスタイン(乳牛)一頭からどれくらいの牛乳が採れるのか?

ホルスタイン(乳牛)は一頭からだいたい年間で「5千~1万キロリットル」ほどの牛乳を採取することが可能です。

これはそのほかの乳牛よりもかなり多い数字となっていて、生産効率的にもやはりホルスタイン種が優秀であるとして全国的に広がっていきました。

一応ほかの乳牛種であるジャージー種と比べてみますと、ジャージー種は年間で3千キロリットルほどの生産量ですので個体によっては倍以上違うという結果になりますね。

実際に日本で飼育されているジャージー種の数は1万頭前後とされていますので、その飼育数の差も歴然です。

 

子牛のホルスタイン(乳牛)成長

ホルスタインの子牛は、非常に成長が早く、牛乳生産において重要な役割を担っています。以下では、ホルスタインの子牛について詳しく解説します。

【出生時の特徴】

ホルスタインの子牛は、出生時に体重が約40~50kg程度で、黒と白の模様が特徴的な外見を持っています。出生後すぐに、母牛から分泌されるコロストラムと呼ばれる初乳を摂取することで、免疫力を身につけます。また、生後数日から数週間で牛乳に切り替わるまで、母牛の乳を摂取します。

【飼育方法】

ホルスタインの子牛は、生後すぐに母牛から離され、別の場所で飼育されます。この時期を離乳期と呼び、子牛の体格や健康状態に応じて、特別な飼料を与えたり、定期的に健康診断を受けたりすることが重要です。また、適切な温度管理や衛生管理が行われていることも大切です。

【成長】

ホルスタインの子牛は、生後1か月程度で体重が2倍になり、生後3か月程度で体重が約100kgに達します。成長期には、牧草や飼料、牛乳などの栄養素が必要であり、適切な栄養管理が行われることが重要です。

【牛乳生産】

ホルスタインの子牛は、成長して乳牛となると、1日に20~30リットル程度の牛乳を生産することができます。乳牛として生産されるためには、体重や健康状態が適切であることや、適切な飼料や健康管理が行われていることが必要です。

 

ホルスタインにオスが生まれた場合は?

ホルスタインのオスは、一般的には雄牛と呼ばれ、肉牛として飼育されます。母牛としての牛乳生産能力がないため、牛乳生産には利用されません。

雄牛の場合、飼育方法や用途は、主に以下の2つに分かれます。

【肉用】

ホルスタインの雄牛は、体格が大きく肉質が優れているため、肉牛として飼育されます。一般的には、生後15~18ヶ月程度で出荷され、加工業者や小売店に供給されます。

【種用】

ホルスタインの雄牛のうち、優れた体格や遺伝子を持つものは、種牛としての価値があります。種牛として、他の牛と交配させることで、より優れた品質の子牛を生産することができます。種牛は、農家や繁殖牧場で飼育され、種子供与業者や育種団体に供給されます。

 

ホルスタイン(乳牛)のメリット・デメリット

ホルスタイン(乳牛)を飼育する際のメリットというのは、採れる牛乳の量だけでなく体格の良さというのもポイントとなっています。

ホルスタイン(乳牛)は牛乳を生みだす雌牛と、種付け用に繁殖されている雄牛で役割が違うわけですが、どちらも役割を終えると食用や加工品として出荷されていきます。

そのため、ジャージー種などと比べても体格の大きなホルスタイン種は、乳牛としての役割を終えたあとにもいろいろな使い道があるということです。

しかし、メリットばかりではなく一応デメリットも存在します。

それはやはり牛乳の質がほかの乳牛よりも若干劣るという点です。

実はホルスタイン(乳牛)の牛乳は大量生産という目的にはぴったりと合いますが、乳質自体で比べるとジャージー種などに負ける部分があるわけです。

ちなみにジャージー種の牛乳の乳脂肪分4.5~5%ほどですが、ホルスタイン(乳牛)の牛乳は3%ほどと差があります。

また、乳蛋白などの無脂乳固形分はジャージー種のもので9%以上、ホルスタイン(乳牛)のもので8%ちょっとということなので、これも僅かに成分的に劣る結果となっています。

 

 

ホルスタイン(乳牛)は食べられるのか?

大量の牛乳を生産するのに最適な乳牛ではありますが、やや成分的には薄味になりがちというのがホルスタイン(乳牛)の特徴ということが分かりました。

そして気になるのが役割を終えたあとのホルスタイン(乳牛)ですが、先ほども少し触れたように「食用」として出荷されます。

以前はホルスタイン(乳牛)の肉は美味しくなくて食べられないというのが定説だったのですが、現在では乳牛としての価値を高めるために飼料も工夫がされているので昔ほど肉質が悪いわけではありません。

そのため、食用の牛として育てられている黒毛和牛などよりかはもちろん劣りますが、格安牛肉の部類として出荷されることが多々あるようです。

また、種付け用に飼育されている雄のホルスタイン(乳牛)に関して言えば、ホルスタイン(乳牛)と黒毛和牛を掛け合わせたものが多く活躍をしていて、食用としても充分に出荷できるレベルで飼育されています。

もちろんそのまま出荷しようとする場合、「ホルスタイン種」と明記しなければいけませんのであまり人気が高いわけではありませんが、中には黒毛和牛の特徴とよく似た上質な牛肉も採れるとのことです。

あまり一般家庭でお目にかかることはないかもしれませんが、加工食品の中などに含まれていることが多いので、冷凍のハンバーグやお惣菜などで口にしていることもあるかもしれませんね。

ちなみにホルスタイン(乳牛)の肉質の特徴としては、通常の食用牛よりも硬く、やや匂いがキツイというのが一般的な感覚となっています。

 

茶色のホルスタイン(乳牛)って何?

茶色のホルスタイン(乳牛)とは、黒と白の模様が特徴的なホルスタイン種のうち、体毛が茶色を帯びたものを指します。ホルスタイン種は、世界中で最も広く飼育されている乳牛の一つであり、乳量が多いことで知られています。

茶色のホルスタイン(乳牛)は、体毛の色が黒と白のホルスタイン(乳牛)に比べて、茶色の部分が増えているため、より温かみがあります。茶色の部分の大きさや形状は個体によって異なり、模様も様々です。一般的に、茶色の部分は胴体や頭部に多く見られますが、脚や尾の部分にも現れることがあります。

茶色のホルスタイン(乳牛)は、遺伝子的に黒と白のホルスタイン(乳牛)と同じであり、茶色の体毛を持つ個体が生まれる確率は約1%です。茶色の体毛を持つ個体は、通常の黒と白の個体と同じように乳牛として飼育され、乳量や品質には影響がありません。

茶色のホルスタイン(乳牛)は、珍しい体毛の色合いから人気があります。一部の酪農家では、茶色のホルスタイン(乳牛)を特別に育て、高級な乳製品を生産することもあります。また、展示会や競技会などでも、茶色のホルスタイン(乳牛)が出展されることがあります。

茶色のホルスタイン(乳牛)は、黒と白のホルスタイン(乳牛)と同じく、丈夫で穏やかな性格を持ちます。また、乳牛としての生産性も高いため、多くの酪農家にとって魅力的な品種となっています。

 

まとめ

ホルスタイン(乳牛)についてご紹介してきましたが、最後に軽くその特徴をまとめてみました。

・日本で乳牛としてのシェアナンバーワンの品種
・大量生産に適していて、一頭から採れる牛乳の量も非常に多い
・ただし、牛乳の成分としてはほかの乳牛に劣る部分もある
・役割を終えたホルスタイン(乳牛)は食用として出荷される

食用牛に比べるとあまり知られていないホルスタイン(乳牛)ですが、このように日本の食卓を支えていることは間違いないようです。

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