スーパーで牛もも肉のステーキ用が売っていると、つい手に取りたくなりますよね。でも「赤身肉って固くなりそう」「うまく焼けるか不安」と躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。実は牛もも肉のステーキは、ちょっとしたコツさえ押さえれば、自宅でも驚くほど柔らかくジューシーに仕上げることができるんです。サーロインやリブロースに比べて価格もお手頃で、しかも脂が少ないからヘルシー。ダイエット中の方や、あっさりしたお肉が好きな方にもぴったりです。この記事では、牛もも肉ステーキの焼き方を、下準備から焼き方、休ませ方まで、初心者の方でも分かるように丁寧に説明していきます。フライパン一つで作れるので、特別な道具も必要ありません。今夜のご飯に、ぜひチャレンジしてみてください。
牛もも肉ってどんなお肉なの?
まず最初に、牛もも肉がどんな部位なのか簡単に説明しますね。牛もも肉は、牛の後ろ脚の付け根からお尻にかけての部位で、よく動かす筋肉なので赤身が多くて脂肪が少ないのが特徴です。


牛もも肉は、さらに細かく分けると「うちもも」「そともも」「しんたま」などに分かれます。うちももは比較的柔らかくて、ステーキに向いています。そとももはやや固めですが、薄切りにして炒め物などに使うと美味しいです。
牛もも肉の良いところは、なんといっても脂肪が少なくてヘルシーだということ。サーロインやリブロースはサシ(霜降り)がたっぷり入っていて美味しいですが、カロリーが気になる方には少し重たく感じるかもしれません。その点、牛もも肉なら脂が少ないので、あっさりと食べられます。
また、価格が比較的お手頃なのも嬉しいポイントです。和牛のサーロインだと100gあたり2000円以上することもありますが、牛もも肉なら1000円前後で手に入ることが多いです。国産牛や輸入牛ならもっとリーズナブルで、気軽にステーキを楽しめます。
牛もも肉にはタンパク質が豊富に含まれています。筋肉をつけたい方や、ダイエット中の方にもおすすめです。ビタミンB群や鉄分も含まれているので、疲労回復や貧血予防にも役立ちます。
美味しい牛もも肉ステーキを作るための下準備
美味しい牛もも肉ステーキを作るには、焼き始める前の下準備がとても大切です。ここでしっかり準備することで、仕上がりが大きく変わってきます。
お肉の選び方で仕上がりが変わる
スーパーで牛もも肉を選ぶとき、厚さは最低でも2cm以上あるものを選びましょう。薄いお肉だと、焼いているうちに火が通りすぎて固くなってしまいます。理想は2.5cmから3cmくらいの厚さです。
お肉の色は、鮮やかな赤色よりも、少し落ち着いた小豆色のものが良いです。特に和牛や国産牛の場合、色が沈んでいるお肉の方が飼育期間が長くて味がしっかりしていることが多いんです。
パックの中を見て、お肉の表面があまり濡れていないものを選んでください。水分が多いと、焼いたときに焼き目がつきにくくなります。少し乾いて見えるくらいがちょうど良いです。
筋や筋膜は、できるだけ少ないものを選びましょう。ただし、ある程度の筋は焼くことで美味しくなるので、それほど気にする必要はありません。脂身が厚すぎるものは避けた方が焼きやすいです。
焼く前日にやっておくと良いこと
時間があれば、焼く前日にお肉をパックから出して、網とトレイに乗せて冷蔵庫で一晩置いておくのがおすすめです。ラップはかけません。


こうすることで、お肉の表面がほどよく乾いて、焼いたときに香ばしい焼き目がつきやすくなります。ドリップ(余分な水分)も出てくるので、それも一緒に拭き取れます。
前日にできなかった場合でも、焼く30分くらい前にパックから出して、キッチンペーパーで表面の水分を押さえて拭き取っておきましょう。この一手間だけでも、仕上がりが変わります。
お肉を常温に戻す必要はない
よく「お肉は焼く30分前に冷蔵庫から出して常温に戻す」と言われますが、実は家庭で焼くステーキの場合、常温に戻す必要はありません。
これはプロの料理人が、すごく厚いお肉(5cm以上)を焼くときに時間を短縮するための方法です。でも家庭で使うお肉は2cmから3cm程度なので、表面にしっかり焼き目をつけようとするうちに、中まで火が入りすぎてしまうリスクの方が高いんです。
むしろ冷蔵庫から出したばかりの冷たいお肉の方が、焼き加減を調整しやすいです。外側はこんがり、中はレアやミディアムレアに仕上げやすくなります。
筋切りは必要か
牛もも肉の場合、厚めのお肉なら筋切りは基本的に不要です。焼くときに脂身のある側面をしっかり焼けば、筋も柔らかくなって美味しく食べられます。
ただし、1cm以下の薄いお肉の場合は、筋切りをしないと焼いたときに反り返ってしまいます。薄いお肉を全体にムラなく焼きたいときは、赤身と脂身の間にある筋膜に、3cmおきくらいで包丁を入れましょう。刃は赤身部分まで届くように入れてください。
牛もも肉ステーキの基本的な焼き方
それでは、実際に牛もも肉ステーキを焼いていきましょう。ここでは、一番人気のあるミディアムレアの焼き方を説明します。
用意するもの
必要な道具と材料はとってもシンプルです。
フライパンは、できれば厚手のものが良いです。薄いフライパンだと温度が安定しないので、焼きムラができやすくなります。テフロン加工でも鉄製でもどちらでも大丈夫です。
油は、オリーブオイルがおすすめです。香りが良くて、サラダ油よりも酸化しにくいです。太白ごま油や米油でも良いでしょう。牛脂は品質にばらつきがあるので、良いものかどうか分からない場合は避けた方が無難です。
塩は、お肉の重量の0.2から0.3パーセントくらいが目安です。200gのお肉なら、0.4gから0.6g程度ですね。小さじ1/4くらいと覚えておくと良いでしょう。
トングか菜箸、アルミホイルも用意しておきましょう。
焼き方の手順を詳しく説明
まず、フライパンをしっかり熱します。中火から強火でフライパンを温めて、手をかざしたときにしっかり熱を感じるくらいまで熱してください。これが焼き目をつけるコツです。
フライパンが十分熱くなったら、オリーブオイルを入れます。量は、フライパンの底全体に行き渡るくらい。少し多めに感じるかもしれませんが、これくらいあると綺麗な焼き目がつきます。
油を入れたら、お肉の片面全体に塩を半量ふります。高い位置からパラパラと振ると周りに散ってしまうので、お肉に近い位置から振りましょう。多少偏っても、焼いているうちに広がるので大丈夫です。
塩をふった面を下にして、フライパンにお肉を入れます。このとき、強火のまま30秒焼きます。油がハネるので、気になる方はフライパンの上にアルミホイルをふんわりかけてください。
強火で焼くと、メイラード反応という化学反応が起きて、香ばしい焼き目と香りがつきます。これがステーキの美味しさの秘密なんです。
30秒経ったら、まだ焼いていない面に残りの塩をふって、お肉を裏返して30秒焼きます。これで両面に焼き目がつきました。
次に、火を弱火にします。トングでお肉を立てて、脂身のある側面を30秒ずつ焼きます。お肉の形にもよりますが、普通は上下の2辺を焼けばOKです。側面を焼くことで、余分な脂が落ちて、筋の旨みも引き出せます。
ここまで焼いたら、いったんフライパンからお肉を取り出します。お皿やまな板に置いて、コンロの横など温かい場所で2分から3分休ませます。アルミホイルで包む必要はありません。包んでしまうと、熱の逃げ場がなくなって肉が縮み、肉汁が逃げてしまいます。


休ませている間、フライパンは弱火のままにしておきます。こうすることで、次に焼くときにスムーズに入れます。
2分から3分経ったら、指でお肉を触って弾力と温度をチェックします。表面がまだ熱くなければ、内部に熱が移った証拠です。再びフライパンに戻して、上下の面と脂の面を軽く焼きます。今度は焼き時間を少し短くして、20秒ずつくらいでOKです。
また取り出して2分ほど休ませます。この「焼いて休ませる」を3回から4回繰り返すことで、ミディアムレアの焼き加減になります。
繰り返すたびに、少しずつ焼き時間を短くしていくのがコツです。最後の方は、片面10秒ずつくらいで十分です。こうすることで、火が通りすぎるリスクが減ります。
焼き加減の見極め方
焼き加減を見極めるには、手で「OKサイン」を作る方法が便利です。
人差し指と親指で円を作ってOKサインを作り、親指の付け根のふくらみを反対の手で押してみてください。その柔らかさと、お肉の中心を押したときの柔らかさを比べます。
人差し指とのOKサインと同じ柔らかさなら「レア」、中指なら「ミディアムレア」、薬指なら「ミディアム」、小指なら「ウェルダン」です。
最初は分かりにくいかもしれませんが、何度か焼いているうちに感覚が掴めてきます。慣れるまでは、竹串を刺して10秒待ち、唇に当ててみる方法もあります。ほんのり温かければミディアムレア、熱ければウェルダンです。
それぞれの焼き加減の特徴
ステーキの焼き加減には、大きく分けて4種類あります。それぞれ味わいや食感が違うので、好みに合わせて選んでください。
レアの焼き方と特徴
レアは、表面はしっかり焼かれているのに中は赤い状態です。ただし、芯まで熱は入っているので冷たくはありません。生とは違います。
牛もも肉をレアで焼く場合、「焼いて休ませる」を2回から3回繰り返せばOKです。お肉の中心温度は45度くらいです。
レアの良いところは、お肉本来の味がダイレクトに楽しめること。柔らかくてジューシーです。ただし、牛もも肉のような赤身肉の場合、レアだと少し噛み応えが強く感じることもあります。
ミディアムレアの焼き方と特徴
ミディアムレアは、中心部がきれいなロゼ色(ピンク色)になった状態で、一番人気のある焼き加減です。
「焼いて休ませる」を3回から4回繰り返します。お肉の中心温度は50度から55度くらいです。
ジューシーで柔らかく、お肉の旨みもしっかり感じられます。牛もも肉を美味しく食べるなら、ミディアムレアがおすすめです。筋繊維も適度に収縮して、食べやすい柔らかさになります。
ミディアムの焼き方と特徴
ミディアムは、お肉全体に火が通っていて、中心部もロゼ色を保った状態です。
「焼いて休ませる」を4回から5回繰り返します。お肉の中心温度は60度から65度くらいです。
肉汁はやや少なめになりますが、お肉の旨みが凝縮されていて、ほどよい弾力があります。しっかり火を通したいけど、ウェルダンほどは焼きたくない方におすすめです。
ウェルダンの焼き方と特徴
ウェルダンは、お肉の中まで十分に火が通った状態です。全体の色は褐色に近くなります。
「焼いて休ませる」を5回以上繰り返すか、最後に蓋をして蒸し焼きにします。お肉の中心温度は75度以上です。
肉汁はあまり感じませんが、弾力があって歯ごたえもしっかりしています。生っぽいのが苦手な方や、お子さんに食べさせる場合はウェルダンが良いでしょう。
ただし、牛もも肉のような赤身肉をウェルダンまで焼くと、かなり固くなってしまいます。できればミディアムくらいまでにしておくのがおすすめです。
焼き上がった後の休ませ方
好みの焼き加減になったら、最後にもう一度しっかり休ませます。これが美味しいステーキを作る最後の秘訣です。
フライパンから取り出して、お皿に置きます。そのまま3分から5分ほど置いておきます。このときも、アルミホイルで包む必要はありません。
休ませている間に、余熱でお肉の中心までじんわり火が通ります。また、焼いている間に外側に集まっていた肉汁が、お肉全体に行き渡ります。
この休ませる時間を省略してすぐに切ってしまうと、切った瞬間に肉汁がドバッと流れ出てしまいます。せっかくのジューシーさが台無しです。
レストランでステーキを注文すると、厨房で焼いてからホールまで運ばれてくる間に、ちょうど良く休ませる時間ができます。だから、お店のステーキは肉汁があふれないんですね。
休ませたステーキは、1cmから2cm幅にカットして盛り付けます。繊維に対して垂直に切ると、食べやすくなります。
もし休ませている間に表面が冷めてしまったら、切る直前にもう一度フライパンで表面だけサッと焼いても良いでしょう。10秒ずつくらいで十分です。
牛もも肉ステーキに合うソース
牛もも肉ステーキは、塩こしょうだけでも十分美味しいですが、ソースをかけるとまた違った味わいが楽しめます。
定番の和風おろしソース
あっさりした牛もも肉には、大根おろしとポン酢を使った和風ソースがよく合います。
大根をおろして軽く水気を切り、ポン酢を大さじ2杯ほど混ぜます。お好みで刻んだネギや大葉を加えても美味しいです。ステーキの上にたっぷりかけていただきます。
さっぱりしていて、脂っこくない牛もも肉にぴったりです。夏場にもおすすめの食べ方です。
濃厚な赤ワインソース
ちょっと贅沢な気分を味わいたいときは、赤ワインソースがおすすめです。
ステーキを焼いたフライパンに、赤ワインを100mlほど入れて強火で半分くらいになるまで煮詰めます。そこにバターを10gと醤油を小さじ1杯加えて混ぜれば完成です。
お好みでニンニクのみじん切りを加えても美味しいです。濃厚で大人の味わいのソースになります。
簡単玉ねぎソース
玉ねぎのすりおろしを使った和風玉ねぎソースも、牛もも肉によく合います。
玉ねぎ半分をすりおろして、醤油大さじ2、みりん大さじ1、酢大さじ1を混ぜます。電子レンジで1分ほど加熱すれば完成です。
玉ねぎの甘みと醤油の塩気がマッチして、ご飯がすすむ味になります。お肉に絡みやすいのも良いところです。
ガーリックバター醤油
シンプルで間違いない美味しさなのが、ガーリックバター醤油です。
ステーキを焼いたフライパンに、バター10gとニンニクのみじん切り1片分を入れて香りが出るまで炒めます。そこに醤油大さじ1を加えてサッと混ぜたら完成です。
ステーキの上からかけても良いですし、付けながら食べても美味しいです。お子さんにも人気の味です。
わさび醤油でシンプルに
牛もも肉本来の味を楽しみたいなら、わさび醤油がおすすめです。
小皿に醤油を少し入れて、わさびを溶かします。これをステーキに付けながら食べます。
わさびのツーンとした辛さが、赤身肉の旨みを引き立ててくれます。大人の食べ方ですね。
ステーキに合うつけ合わせ
ステーキだけドーンとお皿に盛るのも豪快で良いですが、野菜のつけ合わせがあると、彩りも良くなりますし栄養バランスも整います。
定番のじゃがいも
ステーキのつけ合わせといえば、やっぱりじゃがいもですよね。
一番簡単なのは、冷凍のフライドポテトを揚げ焼きにする方法です。フライパンに油を5mmくらい入れて、冷凍ポテトを揚げます。お好みでタイムやローズマリーなどのハーブと一緒に揚げると、レストランのような仕上がりになります。
じゃがいもを薄くスライスして、バターで焼いても美味しいです。表面がカリッとして、中はホクホクに仕上がります。
彩りの良いニンジングラッセ
オレンジ色が鮮やかなニンジングラッセも、ステーキによく合います。
ニンジンを1cm厚さの輪切りにして、フライパンにバター10g、砂糖小さじ1、水100mlと一緒に入れて蓋をして煮ます。ニンジンが柔らかくなって水分がなくなったら、塩で味を調えて完成です。
甘くて柔らかいニンジンが、お肉の箸休めになります。
さっぱりサラダ
ステーキの脂っこさをさっぱりさせてくれるグリーンサラダもおすすめです。
レタスやベビーリーフ、ルッコラなどの葉物野菜に、ミニトマトやキュウリを加えます。ドレッシングは、オリーブオイルとレモン汁、塩を混ぜたシンプルなものが良いでしょう。
お肉を食べた後に口の中をさっぱりさせてくれます。
焼き野菜
ステーキを焼いた後のフライパンで、野菜も一緒に焼いてしまうのも良い方法です。
ズッキーニ、パプリカ、エリンギなどを大きめに切って、オリーブオイルで焼きます。塩こしょうだけのシンプルな味付けで十分美味しいです。
お肉の旨みが移った油で焼くので、野菜にも美味しさが染み込みます。
失敗しやすいポイントと対処法
牛もも肉ステーキを焼くとき、よくある失敗とその対処法を知っておきましょう。
お肉が固くなってしまった
牛もも肉ステーキで一番多い失敗が、お肉が固くなってしまうことです。
これは、火を通しすぎたことが原因です。特に強火で長時間焼き続けると、お肉の水分が抜けてパサパサになります。
対処法は、「焼いて休ませる」を繰り返すこと。一度にたくさん焼こうとせず、少しずつ焼いて休ませることで、中までじんわり火を通せます。
もし固くなってしまったら、薄くスライスして、ソースをたっぷりかけて食べると食べやすくなります。
焼き目がつかない
焼き目がうまくつかないという失敗もよくあります。
これは、フライパンの温度が低いか、お肉の表面に水分が多いことが原因です。
フライパンはしっかり熱してから、お肉を入れましょう。手をかざして熱を感じるくらいまで熱します。
お肉の表面は、キッチンペーパーで水分を拭き取ってから焼きます。前日から冷蔵庫で乾燥させておくと、さらに良いです。
中が生すぎる
逆に、外側は焦げているのに中が生すぎるという失敗もあります。
これは、火が強すぎることが原因です。最初の焼き目をつけた後は、弱火にして じっくり火を通しましょう。
「焼いて休ませる」を繰り返すことで、余熱を利用して中まで火を通せます。急がず、ゆっくり焼くのがコツです。
肉汁が流れ出てしまう
切ったときに肉汁がドバッと流れ出てしまうのも、よくある失敗です。
これは、焼いた後の休ませる時間が足りないことが原因です。焼き上がったら、最低でも3分は休ませましょう。
また、アルミホイルできつく包むと、肉汁が逃げやすくなります。休ませるときは、ふんわり置いておくだけで十分です。
牛もも肉を柔らかくするコツ
牛もも肉は赤身が多いので、何もしないとサーロインなどに比べて固く感じることがあります。でも、ちょっとした工夫で驚くほど柔らかくできるんです。
叩いて筋繊維を断つ
お肉を焼く前に、肉叩きやフォークの背で軽く叩くと、筋繊維が切れて柔らかくなります。
全体を満遍なく叩きます。力を入れすぎると形が崩れるので、軽く叩く程度で大丈夫です。
フォークで全体をプスプス刺すのも効果的です。こうすることで、味も染み込みやすくなります。
玉ねぎやキウイで漬け込む
すりおろした玉ねぎやキウイに漬け込むと、酵素の力でお肉が柔らかくなります。
玉ねぎをすりおろして、お肉を30分から1時間ほど漬けます。長時間漬けすぎると逆に肉質が崩れるので、1時間以内にしましょう。
キウイやパイナップルにも、タンパク質を分解する酵素が含まれています。同じようにすりおろして漬け込めば、柔らかくなります。
ヨーグルトに漬ける
プレーンヨーグルトに漬けるのも、お肉を柔らかくする方法の一つです。
ジップロックなどの袋に、お肉とヨーグルトを入れて揉み込みます。冷蔵庫で一晩置いておくと、翌日にはしっとり柔らかくなっています。
焼く前に、ヨーグルトをキッチンペーパーで拭き取ります。少し残っていても大丈夫です。
塩麹を使う
塩麹に漬け込むと、酵素の力で柔らかくなるだけでなく、旨みもアップします。
お肉に塩麹を塗って、ジップロックに入れて冷蔵庫で一晩置きます。焼く前に、余分な塩麹をキッチンペーパーで拭き取ります。
塩麹には塩分が含まれているので、焼くときの塩は控えめにしましょう。
低温調理する
時間に余裕があるなら、低温調理するのが一番確実に柔らかく仕上げる方法です。
ジップロックにお肉と塩、オリーブオイルを入れて空気を抜きます。大きめの鍋にお湯を沸かして、温度を55度から58度くらいに保ちます。そこにジップロックを入れて、1時間から2時間ほど置きます。
取り出したら、キッチンペーパーで水気を拭いて、強火のフライパンで表面だけサッと焼きます。片面30秒ずつくらいで十分です。
こうすると、中はピンク色でジューシー、外側は香ばしい完璧なステーキになります。
ブロック肉を使う場合の焼き方
牛もも肉のブロックが手に入ったら、ステーキ用に切り分けて焼くこともできます。ブロック肉ならではの焼き方を紹介します。
厚めに切り分ける
ブロック肉は、3cmから4cmくらいの厚さに切り分けると、食べ応えのあるステーキになります。
厚く切った分、火の通りに時間がかかるので、「焼いて休ませる」を5回から6回繰り返します。
厚いお肉は、焼きすぎる心配が少ないので、初心者の方でも失敗しにくいです。
オーブンを併用する
すごく厚いブロック肉の場合、フライパンとオーブンを併用すると上手に焼けます。
まず、フライパンで表面全体に焼き目をつけます。強火で各面を30秒ずつ焼いて、全体に焼き色をつけます。
そのまま180度に予熱したオーブンに入れて、10分から15分焼きます。お肉の厚さによって時間を調整してください。
取り出したら、アルミホイルでふんわり包んで10分ほど休ませます。こうすることで、中までじっくり火が通って、外は香ばしく中はジューシーに仕上がります。
ローストビーフにする
ブロック肉があるなら、ローストビーフを作るのもおすすめです。
お肉全体に塩こしょうをして、フライパンで表面全体に焼き色をつけます。
180度のオーブンで20分から30分焼きます。竹串を刺して、出てくる肉汁が透明になったらOKです。
取り出してアルミホイルで包み、完全に冷めるまで置きます。冷めたら薄くスライスして、ソースをかけていただきます。
牛もも肉は脂が少ないので、ローストビーフにするとヘルシーで食べやすいです。
薄切り肉を使う場合の焼き方
逆に、薄切りの牛もも肉しか手に入らなかった場合の焼き方も説明します。
強火でサッと焼く
薄切り肉は、強火で短時間で焼くのがコツです。
フライパンをしっかり熱して、油を入れます。お肉を並べて、片面を30秒ほど焼いたらすぐに裏返します。もう片面も30秒焼いたら完成です。
長く焼くと固くなるので、サッと焼くだけで十分です。中が少し赤くても大丈夫です。余熱で火が通ります。
重ねて焼く
薄切り肉を何枚か重ねて焼くと、厚みが出て食べ応えのあるステーキになります。
3枚から4枚を重ねて、フォークで数カ所刺してくっつけます。塩こしょうをして、普通のステーキと同じように焼きます。
重ねた分だけ厚みがあるので、「焼いて休ませる」を2回から3回繰り返します。
片面だけしっかり焼く
薄切り肉の場合、両面をしっかり焼くと中まで火が通りすぎてしまいます。片面だけをしっかり焼いて、もう片面はサッと焼く程度にするのがおすすめです。
片面を強火で1分ほどこんがり焼いて、裏返したら弱火にして30秒ほどで取り出します。
こうすると、片面は香ばしく、中はほどよく火が通った状態になります。
フライパン以外の焼き方
フライパンが一般的ですが、他の調理器具を使った焼き方もあります。
グリルパンで焼く
グリルパンを使うと、表面に綺麗な焼き目の筋がつきます。
グリルパンをしっかり熱して、油を薄く塗ります。お肉を置いて、動かさずに焼きます。1分ほど経ったら90度回転させると、クロスした焼き目がつきます。
裏返して同じように焼けば、レストランのようなステーキになります。
魚焼きグリルで焼く
実は魚焼きグリルでもステーキが焼けます。
グリルを予熱してから、お肉を入れます。片面を3分から4分焼いて、裏返してさらに3分から4分焼きます。
グリルは上下から火が当たるので、均一に火が通ります。ただし、焼き加減の調整が難しいので、慣れるまで注意が必要です。
ホットプレートで焼く
ホットプレートなら、一度にたくさん焼けるので、家族みんなで食べるときに便利です。
温度を250度くらいに設定して、油を薄く引きます。お肉を並べて、フライパンと同じように焼いていきます。
ホットプレートは温度が一定なので、焼きムラが少なくなります。食卓で焼きながら食べるのも楽しいです。
牛もも肉ステーキのアレンジレシピ
基本の焼き方をマスターしたら、アレンジにも挑戦してみましょう。
ステーキ丼
焼いた牛もも肉ステーキを薄切りにして、ご飯の上に盛り付けたステーキ丼は、ガッツリ食べたいときにぴったりです。
ご飯の上にステーキを並べて、タレをかけます。タレは、醤油大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1を混ぜて、電子レンジで30秒加熱したものを使います。
刻みネギや温泉卵を乗せれば、さらに豪華になります。
ステーキサラダ
焼いたステーキを薄切りにして、サラダに乗せたステーキサラダも人気です。
レタス、ベビーリーフ、ミニトマト、キュウリなどの野菜を盛り付けて、その上に温かいステーキを乗せます。
ドレッシングは、オリーブオイル、バルサミコ酢、マスタード、塩こしょうを混ぜたものがおすすめです。
ヘルシーで栄養バランスも良く、ダイエット中でも罪悪感なく食べられます。
ステーキサンド
薄切りにしたステーキをパンに挟んだステーキサンドは、ランチにもぴったりです。
バゲットやフランスパンを半分に切って、軽くトーストします。バターやマスタードを塗って、レタスとステーキを挟みます。
ソースはお好みで。ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースも合います。
ビーフシチューにリメイク
もし焼きすぎて固くなってしまったステーキがあったら、ビーフシチューにリメイクしてしまいましょう。
ステーキを一口大に切って、玉ねぎ、ニンジン、じゃがいもと一緒に鍋に入れます。水とビーフシチューのルウを加えて、30分ほど煮込みます。
煮込むことで、固くなったお肉も柔らかくなります。無駄なく美味しく食べられます。
牛もも肉ステーキを美味しく食べるための豆知識
最後に、牛もも肉ステーキをより美味しく楽しむための豆知識をいくつか紹介します。
赤ワインと一緒に
牛もも肉ステーキには、赤ワインがよく合います。
赤ワインのタンニンが、お肉の脂を洗い流してくれるので、口の中がさっぱりします。赤身の牛もも肉なら、フルボディの赤ワインより、ミディアムボディくらいの軽めのワインが合います。
ピノノワールやメルローなどがおすすめです。
付け合わせのマッシュポテト
欧米では、ステーキの付け合わせにマッシュポテトが定番です。
じゃがいもを茹でて潰し、バターと牛乳を加えて滑らかにします。塩こしょうで味を調えて、ステーキの横に盛り付けます。
クリーミーなマッシュポテトが、お肉との相性抜群です。
切り方で柔らかさが変わる
ステーキを切るとき、繊維に対して垂直に切ると、柔らかく食べられます。
お肉の繊維の向きを見て、それに対して直角に包丁を入れます。繊維を短く切ることで、噛み切りやすくなります。
逆に、繊維に沿って切ると、長い繊維が残って噛み切りにくくなります。
温度管理が大事
本格的にステーキを極めたいなら、肉用の温度計があると便利です。
お肉の中心に温度計を刺して、温度を測ります。レアなら45度から50度、ミディアムレアなら50度から55度、ミディアムなら55度から60度、ウェルダンなら70度以上が目安です。
温度計があれば、焼き加減を正確にコントロールできます。
冷凍肉の解凍方法
冷凍の牛もも肉を使う場合、解凍方法も大切です。
一番良いのは、冷蔵庫でゆっくり解凍する方法です。調理する半日前に冷蔵庫に移しておきます。低温でゆっくり解凍することで、旨みを逃さず解凍できます。
急ぐときは、ジップロックに入れて、流水で解凍します。常温で放置するのは、雑菌が繁殖するのでNGです。
電子レンジの解凍機能は、ムラになりやすいのであまりおすすめしません。どうしても使う場合は、様子を見ながら少しずつ解凍しましょう。
よくある質問
牛もも肉ステーキは何分焼けばいいですか
2cmから3cmくらいの厚さのお肉なら、強火で表裏30秒ずつ焼いて、弱火で休ませながら焼くのを3回から4回繰り返します。トータルで10分から15分くらいかかります。
ミディアムレアに仕上げる場合、指で押してみて、手でOKサインを作ったときの中指と親指の付け根の柔らかさと同じくらいになったらOKです。
牛もも肉を柔らかくするにはどうすればいいですか
焼く前に肉叩きで叩く、玉ねぎのすりおろしに漬ける、ヨーグルトに漬けるなどの方法があります。
また、焼き方でも柔らかさが変わります。強火で焼きすぎず、「焼いて休ませる」を繰り返して、ゆっくり火を通すと柔らかく仕上がります。
牛もも肉ステーキの適量はどれくらいですか
一人前の目安は、150gから200gくらいです。男性なら200gから250g、女性なら150g前後が適量でしょう。
育ち盛りのお子さんや、たくさん食べたい方は300gでも良いですが、赤身肉は意外と食べ応えがあるので、200gでも十分満足できることが多いです。
余ったステーキはどう保存すればいいですか
余ったステーキは、冷蔵庫で2日から3日保存できます。ラップでしっかり包んで、密閉容器に入れて冷蔵庫に入れましょう。
温め直すときは、電子レンジだと固くなりやすいので、フライパンで軽く焼き直すのがおすすめです。弱火で両面30秒ずつくらいで十分です。
冷凍保存する場合は、1ヶ月くらい保存できます。一つずつラップで包んで、ジップロックに入れて冷凍庫へ。
安い牛もも肉でも美味しく焼けますか
もちろんです。焼き方次第で、安いお肉でも十分美味しく仕上がります。
安いお肉ほど、下準備が大事です。玉ねぎやキウイに漬けて柔らかくしたり、肉叩きで叩いたりすると良いでしょう。
また、焼き方も丁寧に。「焼いて休ませる」をしっかり繰り返して、ゆっくり火を通せば、柔らかくジューシーに仕上がります。
ソースやつけ合わせにも工夫すれば、高級なお肉に負けない美味しさになりますよ。
自宅で美味しい牛もも肉ステーキを楽しもう
牛もも肉ステーキの焼き方について、下準備から焼き方、休ませ方、ソースやつけ合わせまで、詳しく説明してきました。
牛もも肉は赤身が多くて脂が少ないので、ヘルシーで価格もお手頃です。ちょっとしたコツを押さえれば、サーロインやリブロースに負けない美味しさのステーキが作れます。
大切なのは、フライパンをしっかり熱すること、強火で焼き目をつけること、「焼いて休ませる」を繰り返すこと、最後にしっかり休ませること。この4つを守れば、初心者の方でも失敗せずに美味しいステーキが焼けます。
焼き加減は、指でOKサインを作って確かめる方法を覚えておくと便利です。ミディアムレアなら中指と親指、ミディアムなら薬指と親指で作ったときの柔らかさが目安です。
ソースやつけ合わせも、お好みでアレンジしてください。シンプルに塩こしょうだけでも美味しいですし、和風おろしソースやガーリックバター醤油も良く合います。じゃがいもやサラダを添えれば、レストラン顔負けの一皿になります。
最初はうまく焼けなくても大丈夫です。何度か焼いているうちに、自分なりのコツが掴めてきます。フライパンの火力やお肉の厚さによっても焼き時間は変わるので、何度も作って試してみてください。
週末の特別な日や、頑張った自分へのご褒美に、ぜひ牛もも肉ステーキを焼いてみてください。自宅でも、お店に負けない美味しいステーキが楽しめますよ。
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