特別な日のごちそうといえば、やっぱりステーキですよね。でも、せっかく奮発して買った和牛なのに、焼き方を失敗してしまってがっかり…なんて経験はありませんか。実は、ちょっとしたコツさえ押さえれば、自宅でもレストランのような美味しい和牛ステーキが焼けるんです。今回は、プロの料理人が実践している焼き方のポイントから、下ごしらえ、焼き加減の見極め方、おすすめのソースや付け合わせまで、和牛ステーキを美味しく焼くためのすべてをお伝えします。初めての方でも失敗しないように、わかりやすく説明していきますね。
和牛ステーキを焼く前に知っておきたい基本知識
まずは和牛ステーキを焼く前に、押さえておきたい基本的な知識からご紹介します。この部分を理解しているかどうかで、仕上がりが大きく変わってきますよ。
和牛ステーキに適した部位の選び方
和牛ステーキを美味しく焼くには、まず肉選びが重要です。ステーキに適した部位にはいくつか種類がありますが、それぞれに特徴があります。
リブロースは肩ロースとサーロインの間にある部位で、サーロインよりも少し脂が多めです。濃厚な味わいを楽しみたい方に向いています。
ヒレ(フィレ)は最も柔らかい部位として知られています。脂身が少なくあっさりとした味わいで、脂っこいのが苦手な方や女性に人気があります。ただし希少部位なので、お値段は少し高めになります。
ランプやイチボといったお尻周辺の部位も、実はステーキに適しています。赤身が中心で肉本来の旨みを楽しめますし、サーロインよりもリーズナブルなことが多いんです。
肉の厚さと重さの目安
和牛ステーキの厚さは、最低でも2センチ以上は欲しいところです。薄い肉だとすぐに火が通りすぎて、焼きすぎてしまう失敗が起こりやすいんですね。厚みがあればゆっくり火が通るので、中はジューシーで外はこんがりという理想的な焼き上がりにしやすくなります。
3センチから4センチくらいの厚さがあれば、焼きすぎる心配はほぼなくなりますよ。見た目のインパクトも大きくて、特別感が増します。
ステーキ肉を選ぶときは、面積よりも厚さを重視してください。同じ200グラムでも、薄く広いものより、厚くてコンパクトなもののほうが美味しく焼けます。
1人分の重さの目安は、だいたい150グラムから250グラムくらいです。食べる人の食欲や、他にどんな料理を用意するかによって調整してくださいね。
サシの入り具合とランクの選び方
和牛といえば美しいサシ(霜降り)が魅力ですが、ステーキの場合はサシが多すぎると脂がきついと感じることもあります。
A5ランクの和牛は最高級ですが、サシが非常に多いため、厚めのステーキをレアやミディアムレアで焼くと、人によっては重たく感じるかもしれません。価格的にも高額になります。
A4やA3ランクの和牛なら、程よいサシで食べやすく、お値段も少し抑えられます。ステーキにはこのくらいのランクが実はちょうど良いんです。


外側の脂身(脂肪の層)は、あまり厚くないほうが焼きやすいです。赤身と脂身の間にある筋膜は、きちんと熱を通せば美味しく食べられますが、生のままだと噛み切りにくいので注意が必要です。
肉の色と鮮度の見分け方
新鮮で美味しい和牛を選ぶには、色も重要なポイントです。和牛や国産牛の場合、沈んだ赤色、いわゆる小豆色のものが良質とされています。
飼育期間が長い牛は色素が沈着していて、その分味がしっかりしていることが多いんです。鮮やかな赤色よりも、落ち着いた深い赤色のほうが、味わい深い肉である可能性が高いということですね。
また、肉の表面の水分量もチェックしましょう。表面が濡れすぎていない、少し乾いているように見えるものがおすすめです。水分が多いと、焼くときに肉の表面温度が上がりにくく、十分な焼き目がつく前に中まで火が通ってしまうことがあるからです。
和牛ステーキの下ごしらえ
良い肉が手に入ったら、次は下ごしらえです。この工程を丁寧にやるかどうかで、仕上がりが大きく変わりますよ。
冷凍肉の正しい解凍方法
冷凍されている和牛ステーキを使う場合、解凍方法がとても重要です。間違った解凍をすると、せっかくの高級肉が台無しになってしまいます。
正しい解凍方法は、冷蔵庫でゆっくり時間をかけて解凍することです。調理する半日前、できれば前日の夜に冷凍庫から冷蔵庫に移しておきましょう。低温でじっくり解凍することで、肉の旨みを逃さず、ドリップ(肉汁)も最小限に抑えられます。
解凍が完了したら、キッチンペーパーで表面の余分な水分を軽く押さえて取り除いてください。この一手間が、焼き目をきれいにつけるポイントになります。
常温に戻す必要があるかどうか
ステーキの焼き方を調べると、「焼く30分前に冷蔵庫から出して常温に戻す」と書いてあることが多いですよね。でも実は、家庭で焼くステーキなら、常温に戻す必要はありません。
常温に戻すのは、厚さが5センチ以上あるような分厚いステーキを扱うプロの料理人の技術なんです。家庭で使う2センチから4センチくらいのステーキなら、冷たいまま焼き始めたほうが、表面にしっかり焼き目をつけているうちに中まで程よく火が通って、ちょうど良い焼き加減になりやすいんですよ。
むしろ常温に戻しすぎると、焼いているうちに中まで火が通りすぎるリスクが高まります。冷蔵庫から出したら、表面の水分を拭き取って、すぐに焼き始めるのがベストです。
ただし、サシがたっぷり入った高級和牛の場合は例外もあります。脂は冷えていると固まっているので、焼く15分から20分前くらいに出しておくと、脂が程よく溶けやすくなって口当たりが良くなることもあります。肉の状態を見て判断してくださいね。
塩をふるタイミングと量
塩をいつふるかは、ステーキを焼くうえで最も議論になるポイントの一つです。「早めにふって馴染ませる」という意見と、「直前にふる」という意見があって、初心者の方は迷いますよね。
結論から言うと、和牛ステーキの場合は焼く直前に塩をふるのがおすすめです。
塩の量は、肉の重量に対して0.5から0.6パーセント程度が目安です。150グラムの肉なら0.8グラム前後、つまり親指と人差し指でつまんだくらいの量ですね。和牛には元々塩分が約1パーセント含まれているので、少量で十分なんです。
塩をふるときは、高い位置からパラパラと降らせるようにすると、むらなく全体にかかります。ただ、多少かたよっても焼いているうちに広がるので、それほど神経質にならなくても大丈夫ですよ。
筋切りは必要かどうか
料理番組などでは、ステーキの筋切りをしている場面をよく見かけます。赤身と脂身の境目に包丁で切り込みを入れる作業ですね。
筋切りをする理由は、焼いたときに肉が反り返るのを防ぐためと、固い筋を断ち切って食べやすくするためです。
ただし、良質な和牛なら筋切りは基本的に不要です。和牛は繊維が細かく筋も柔軟なので、わざわざ包丁を入れて繊維を壊す必要はありません。むしろせっかくの上質な繊維を傷つけてしまうのはもったいないですよね。
筋切りが必要なのは、輸入牛など筋が多くて固い肉や、1センチ程度の薄いステーキを焼くときです。薄い肉は筋切りしないと、焼くときに反り返ってしまって均一に火が通らないことがあります。


肉を寝かせて熟成させる方法
時間に余裕があるなら、肉を一晩寝かせてから焼くのもおすすめです。これはドライエイジング(熟成肉)の手法を家庭で簡単に真似る方法なんです。
やり方は簡単で、購入した肉をパックから出して、網やザルの上に置き、ラップをせずに冷蔵庫で一晩おくだけです。冷蔵庫の風が直接当たるところに置いておくと、熟成が進んでコクが出ます。
この方法には二つのメリットがあります。一つは熟成によって旨みが増すこと、もう一つは肉の表面が程よく乾燥して、焼いたときにこんがりとした焼き目がつきやすくなることです。
ただし、あまり長く置きすぎると乾燥しすぎたり、冷蔵庫の匂いがついたりするので、一晩程度にとどめておきましょう。
和牛ステーキの基本的な焼き方
下ごしらえが終わったら、いよいよステーキを焼いていきます。ここからが腕の見せ所ですね。
フライパンの選び方と準備
和牛ステーキを美味しく焼くには、フライパン選びも重要です。厚手のフライパンを使うのがおすすめです。厚手のフライパンは熱が均等に伝わりやすく、ムラなく焼き上がります。
鉄製のフライパンなら高温に強く、きれいな焼き目をつけやすいです。テフロン加工のフライパンでも焼けますが、高温調理には向いていないものもあるので注意してください。
フライパンの大きさは、肉がゆったり入るサイズを選びましょう。小さすぎるフライパンだと、肉を入れたときに温度が急激に下がってしまいます。
フライパンの予熱の重要性
フライパンの予熱は、美味しいステーキを焼くための最も重要なポイントの一つです。フライパンをしっかり熱してから肉を入れることで、表面に素早く焼き目がついて、旨みを閉じ込められるんです。
強火で2分から3分ほど加熱して、フライパンから少し煙が出るくらいまで熱くしてください。手をかざしてみて、かなり熱く感じるくらいが目安です。
予熱が不十分だと、肉を入れたときにフライパンの温度が下がりすぎて、表面のたんぱく質が固まる前に水分が出てしまいます。すると焼き目がつかず、肉汁も逃げてパサパサな仕上がりになってしまうんです。
十分に熱したら、フライパンに油を入れます。油の量は、フライパンの底全体に行き渡るくらい、やや多めに感じるかもしれませんが、少し揚げ焼きのようにすることで、こんがりとした焼き目がつきます。
使用する油の種類
ステーキを焼くときの油選びも、意外と重要なんです。おすすめは以下の油です。
オリーブオイルは鮮度が良いものを使えば、風味豊かに仕上がります。ただし香りがつくので好みが分かれるかもしれません。サラダ油よりは断然おすすめです。
太白ごま油や米油は酸化しにくく、クセがないので和牛の味を邪魔しません。高温調理にも向いています。
牛脂を使う方法もありますが、品質にかなり差があるので、良い牛脂かどうかわからない場合は避けたほうが無難です。
強火で焼き目をつける理由
肉をフライパンに入れたら、まずは強火で焼き目をつけます。この工程がとても大切なんです。
強火で焼くことで表面のたんぱく質や必須アミノ酸が固まり、肉汁の流出を防ぐことができます。これを「メイラード反応」といって、ステーキらしい香ばしさのもとになる化学反応なんです。
肉を入れたらそのまま動かさず、じっくり焼き色がつくまで待ちましょう。頻繁にひっくり返したり、フライパンを揺すったりすると、きれいな焼き目がつきません。
最初の30秒から1分は、強火のまま焼き続けます。油がパチパチと威勢良く音を立てている状態が理想的です。ただし、あまりに火が強すぎると表面だけ焦げてしまうので、フライパンの様子を見ながら火加減を調整してください。
肉をフライパンから離さないコツ
焼いている最中、肉をフライパンから離してはいけません。これはプロの料理人が口を揃えて言う重要なポイントです。
肉をフライパンから持ち上げると、肉の温度が下がってしまい、表面がカリッとした焼き上がりにならなくなります。焼き目を確認したい気持ちはわかりますが、グッと我慢してください。
ただし、フライパンの真ん中は熱で膨らんでいるので、油が端に寄ってしまいます。肉を少し回転させて、全体に油が行き渡るようにするのは大丈夫です。このときもフライパンから離さず、滑らせるように動かしてくださいね。
裏返すタイミングの見極め方
肉を裏返すタイミングは、焼き色で判断します。レシピ本に「強火で何分」と書いてあっても、肉の状態やフライパンの火力は家庭によって違うので、数字だけに頼らず、目の前の肉の状態を見て判断することが大切です。
一度フライ返しやトングで端を持ち上げて、底面の色を確認してみましょう。美味しそうなこんがりとした焼き色がついていたら、裏返すタイミングです。
肉の側面を見るのも良い方法です。下から3分の1くらいまで色が変わってきたら、裏返しのサインです。側面なら肉を動かさずに確認できるので、おすすめのテクニックですよ。
裏返すときは、一気に返してください。ためらって中途半端に返すと、肉汁がこぼれたり、きれいに返せなかったりします。トングを使うなら、肉の端をしっかり挟んで、素早く返しましょう。
側面も忘れずに焼く
表と裏の両面を焼いたら、側面も焼くことを忘れないでください。特に脂身がある側面は、しっかり焼くことで余分な脂が落ちて、筋の旨みも引き出せます。
肉をトングで立てて、脂身のある側を30秒ほど焼きましょう。肉の形によりますが、通常は上下の2辺を焼けば十分です。
側面を焼くことで、脂と赤身の間にある筋膜にもきちんと熱が入ります。生だと噛み切りにくい筋も、熱を加えることで美味しく食べられるようになるんです。
側面を焼くときは、火加減を弱火から中火に落としてください。強火のままだと焦げやすいので注意が必要です。
焼き加減別の焼き方
ステーキの醍醐味は、自分好みの焼き加減を選べることですよね。ここでは、焼き加減ごとの特徴と焼き方をご紹介します。
レアの焼き方と特徴
レアは、表面はしっかり焼かれているのに、中はまだ赤い状態です。ただし生肉とは違って、芯まで熱は入っているので冷たくはありません。
レアの焼き方は、両面を強火で30秒ずつ焼いた後、弱火で1分ほど焼きます。側面も30秒焼いてください。
レアの魅力は、肉本来の柔らかさと肉汁をダイレクトに楽しめることです。ただし、脂が多い和牛をレアで食べると、脂が溶けきらずに口の中で固まって、脂っこく感じることもあります。赤身が中心の部位や、サシ少なめの肉に向いている焼き加減ですね。
ミディアムレアの焼き方と特徴
ミディアムレアは、ステーキの焼き加減の中で最も人気があります。表面はこんがり、中はきれいなロゼ色(ピンク色)で、ジューシーさと程よい火の通りのバランスが絶妙なんです。
和牛ステーキを焼くなら、ミディアムレアを目指すのがおすすめです。肉の旨みを最大限に引き出せる焼き加減だからです。
ミディアムレアの焼き方は、片面を強火で30秒、弱火で1分焼いたあとに裏返し、強火で30秒、弱火で1分半から2分焼きます。側面も30秒ずつ焼いてください。
ミディアムレアの中心温度は約58度です。肉の表面を指で押してみて、人差し指と親指で輪を作ったときの親指の付け根くらいの弾力があれば、ミディアムレアになっています。


ミディアムの焼き方と特徴
ミディアムは、肉全体に火が通っていて、中心もロゼ色を保っている焼き加減です。レアやミディアムレアよりもしっかり火が入っているので、肉の旨みが凝縮されていて、程よい弾力があります。
ミディアムの焼き方は、片面を強火で30秒、弱火で2分焼いたあとに裏返し、強火で30秒、弱火で2分から3分焼きます。
肉汁はミディアムレアよりやや少なめになりますが、筋繊維の食感がしっかり感じられて、噛むほどに味わい深さが増します。生っぽさが苦手な方や、しっかり火を通したい方に向いています。
ミディアムの中心温度は約63度から65度です。指で押してみて、中指と親指で輪を作ったときの親指の付け根くらいの固さなら、ミディアムになっています。
ウェルダンの焼き方と特徴
ウェルダンは、肉の中まで十分に火が通った状態です。全体の色は褐色に近く、肉汁はあまり感じませんが、弾力があってしっかりとした歯ごたえが楽しめます。
ウェルダンの焼き方は、両面とも強火で肉汁が表面に浮いてくるまで焼いたあと、最後に弱火で3分ほど焼きます。
ウェルダンは、生肉が苦手な方や、お子様、妊娠中の方などに適しています。ただし、和牛のような高級肉をウェルダンで焼くと、せっかくの柔らかさや肉汁が失われてもったいないと感じる方も多いかもしれませんね。
ウェルダンの中心温度は70度以上です。指で押してみて、小指と親指で輪を作ったときの親指の付け根くらいの固さ、またはそれ以上に固ければ、ウェルダンです。
焼き加減を確認する方法
焼き加減を確認する方法はいくつかあります。プロの料理人がよく使うのが、手で触って固さを確かめる方法です。
手で「OK」のサインを作ると、親指の付け根部分の固さが変わります。人差し指と親指で輪を作るとレア、中指と親指ならミディアムレア、薬指と親指ならミディアム、小指と親指ならウェルダンです。この固さと、焼いている肉を指で押したときの固さを比べて判断します。
もう一つの方法は、肉の側面を見ることです。生っぽい赤い部分がどのくらい残っているかで、焼き加減がわかります。側面の下半分くらいまで色が変わっていればミディアムレア、全体的に色が変わっていればミディアム以上です。
温度計を使う方法もあります。肉用の温度計があれば、中心温度を正確に測れるので確実です。ただし、温度計を刺すと肉汁が出てしまうので、刺す位置と回数は最小限にしてください。
焼いた後の休ませ方
実は、ステーキを焼いた後の「休ませる」工程が、美味しいステーキを作る上でとても重要なんです。多くの人が見落としがちなポイントなので、詳しく説明しますね。
休ませることの重要性
焼き上がったステーキをすぐに切って食べたくなる気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。焼いた直後の肉は、表面に旨みが集まっていて、中心部まで均等に行き渡っていない状態なんです。
休ませることで、旨みのもととなる肉汁が肉全体にまんべんなく回ります。また、この間も中心温度はじわじわと上がり続けています。余熱で火を通すイメージですね。
休ませずにすぐ切ってしまうと、切り口からドリップがジュワッとあふれ出てしまいます。これは肉の旨みが流れてしまっている証拠なんです。本当に美味しいステーキは、切ったときに肉汁がほとんど出ません。
適切な休ませ時間
休ませる時間の目安は、焼いた時間と同じくらい、あるいは5分から10分程度です。厚めのステーキなら10分、薄めなら5分くらいで十分です。
休ませる場所は、コンロの横など温かい場所がおすすめです。熱を逃さずに中まで伝えるには、ある程度の温度を保つ必要があります。
ただし、アルミホイルでぴったりと包むのはおすすめしません。熱の逃げ場がなくなって、急に温度が高くなりすぎて肉が縮み、肉汁が逃げてしまうことがあるからです。軽くふんわりとかけるくらいにしてください。
火を止めたフライパンの上で休ませる方法も良いです。フライパンには余熱が残っているので、肉が冷めにくく、ちょうど良い温度を保てます。
休ませている間にできること
肉を休ませている間は、付け合わせの仕上げやソース作り、お皿を温めるなど、他の準備をする時間に使えます。
お皿は熱湯をかけたり、電子レンジで温めたりして、温かくしておきましょう。温かいお皿に盛り付けると、ステーキが冷めにくくなります。
付け合わせの野菜は、ステーキを焼き始める前に調理を済ませておくのがベストです。ステーキが焼き上がったらすぐに食べられるように準備しておきましょう。
ソースを作る場合は、ステーキを焼いたフライパンをそのまま使うと、肉の旨みがソースに移って美味しくなりますよ。肉を取り出したフライパンに残った脂や焦げ付きは、旨みの宝庫なんです。
焼き方のコツと失敗しないポイント
ここまで基本的な焼き方を説明してきましたが、さらに美味しく焼くためのコツと、よくある失敗を避けるポイントをお伝えします。
焼きすぎを防ぐコツ
ステーキを焼く上で最も多い失敗が、焼きすぎです。「しっかり火を通さなきゃ」と思って長く焼きすぎると、肉が固くパサパサになってしまいます。
焼きすぎを防ぐには、こまめに肉の状態を確認することが大切です。指で押して固さを確かめたり、側面を見て色の変わり具合をチェックしたりしましょう。
また、肉は焼いた後も余熱で火が通り続けることを忘れないでください。理想の焼き加減よりも少し手前で火を止めて、休ませている間に丁度良い状態になるように調整します。
初めて焼く肉の場合は、少し早めに火を止めて休ませ、足りなければもう一度焼き直すという方法もあります。焼きすぎてしまうと元に戻せませんが、火が足りない分には追加で焼けばいいので、慎重すぎるくらいでちょうど良いんです。
焼き目がきれいにつかない原因
焼き目がきれいにつかない主な原因は、フライパンの温度不足です。予熱が十分でないと、肉を入れたときに温度が下がりすぎて、焼き目がつく前に蒸し焼きのようになってしまいます。
肉の表面に水分が多すぎる場合も、焼き目がつきにくくなります。解凍後や冷蔵庫から出した直後は、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ってください。
また、肉を頻繁に動かしたり裏返したりすると、きれいな焼き目がつきません。我慢して、じっと待つことが大切です。
肉汁を逃さないコツ
肉汁を逃さないための最大のポイントは、強火で表面をしっかり焼き固めることです。表面のたんぱく質が固まることで、肉汁の流出を防げます。
焼いている最中に何度もひっくり返したり、フォークで刺したりするのは避けてください。穴を開けたり傷をつけたりすると、そこから肉汁が出てしまいます。
裏返すときも、中心部を避けて端を持つようにしましょう。中心部には肉汁が溜まっているので、そこを押さえると肉汁がこぼれてしまいます。
休ませる工程をきちんと守ることも重要です。焼いた直後に切ってしまうと、肉汁が一気に流れ出てしまいます。
均一に火を通すコツ
肉全体に均一に火を通すには、厚さが均一な肉を選ぶことが第一です。部分的に厚さが違うと、薄い部分は焼きすぎ、厚い部分は火が通らないということになりかねません。
焼いている間、フライパンを軽く揺すって、油を肉の底面全体に行き渡らせることも大切です。油との接触面が均一になるほど、熱の伝わり方も均一になります。
厚めのフライパンを使うことで、熱ムラを減らせます。薄いフライパンだと、場所によって温度差が出やすいんです。
フライパンで焼くときの火加減調整
火加減の調整は、ステーキを焼く上で最も難しいポイントかもしれません。でも、基本のパターンを覚えておけば大丈夫です。
最初の30秒から1分は強火で、表面をしっかり焼き固めます。その後、中火から弱火に落として、じっくり中まで火を通していきます。
側面を焼くときは弱火にしてください。強火だと焦げやすいので注意が必要です。
家庭のコンロは火力が違うので、レシピ通りの時間や火加減が必ずしも正解とは限りません。焼き色や香り、音など、目の前の肉の状態を見て判断することが何より大切です。


焼いて休ませてを繰り返す焼き方
ここまで基本的な焼き方を説明してきましたが、プロの料理人の中には「焼いて休ませて」を繰り返す方法を使う人もいます。少し上級者向けですが、とても効果的な方法なので紹介しますね。
繰り返し焼きの方法
この方法は、強火で表面を焼いたら一旦フライパンから取り出して休ませ、また焼いて休ませる、というサイクルを3回から4回繰り返すやり方です。
具体的な手順は以下の通りです。
1回目は、両面を強火で30秒ずつ焼き、側面も30秒焼いたらフライパンから取り出します。コンロの横など温かい場所で2分から3分休ませます。
2回目以降は、指で触って弾力をチェックします。まだ熱くなければ、再びフライパンに戻して、上下の面と脂の面を20秒から30秒ずつ焼き、また休ませます。
これを3回から4回繰り返して、好みの焼き加減になったら完成です。塩をふるのは最初の1回目だけで大丈夫です。
繰り返し焼きのメリット
この方法のメリットは、焼きすぎるリスクを大幅に減らせることです。休ませている間に余熱で中まで火を通していくので、表面が焦げる前に中まで程よく火が入ります。
また、焼き加減の微調整がしやすいんです。休ませるたびに肉の状態を確認できるので、理想的な焼き加減で止めることができます。
表面はしっかりこんがり、内側はきれいなロゼ色という、見た目も味も美しいステーキに仕上がりやすい方法です。
繰り返し焼きのコツ
繰り返し焼きを成功させるコツは、フライパンを弱火にかけたままにしておくことです。こうすることで、2回目以降の焼きにスムーズに入れます。
休ませる場所は、熱源の近くにしてください。コンロの横がベストです。焼いた表面の熱が内部に伝わり、肉全体の温度がじわじわ上がっていくのを利用する方法なので、温度が高めの場所で休ませる必要があるんです。
繰り返すときは、少しずつ焼き時間を短くしていくと、火が通りすぎるリスクがさらに下がります。1回目は30秒ずつ、2回目は25秒ずつ、3回目は20秒ずつといった具合です。
和牛ステーキに合うソースの作り方
和牛ステーキは塩だけでも十分美味しいですが、ソースを添えることで味のバリエーションが広がります。ステーキに合う定番ソースをいくつかご紹介しますね。
赤ワインソース
赤ワインソースは、高級感があってステーキとの相性抜群です。赤ワインの旨みと酸味が、肉の脂と絶妙に調和します。
作り方は簡単です。ステーキを焼いたフライパンに、赤ワイン100ミリリットルを入れて強火にかけます。アルコールを飛ばしながら半量くらいになるまで煮詰めたら、バター10グラムと醤油小さじ1杯を加えて混ぜます。塩コショウで味を調えたら完成です。
赤ワインソースは、サーロインやリブロースなど、脂がしっかり入った部位によく合います。特別な日のディナーにぴったりのソースですね。
ガーリックソース
ガーリックソースは、にんにくの風味が和牛の旨みを引き立てる人気のソースです。スタミナをつけたいときにもおすすめです。
作り方は、ステーキを焼いたフライパンにバター15グラムとみじん切りにしたにんにく1片を入れて弱火で炒めます。にんにくの香りが立ってきたら、醤油大さじ1杯、みりん大さじ1杯、酒大さじ1杯を加えて煮詰めます。とろみがついたら完成です。
お好みでパセリのみじん切りを加えると、彩りも良くなりますよ。
和風おろしソース
和風おろしソースは、醤油ベースであっさりとした味わいが特徴です。脂が多い和牛でも、さっぱりと食べられます。
作り方は、大根おろしをたっぷり用意して、軽く水気を切ります。ポン酢大さじ2杯、醤油小さじ1杯、みりん小さじ1杯を混ぜ合わせて、大根おろしと和えます。ネギの小口切りや、おろし生姜を加えても美味しいです。
和風おろしソースは、ヒレやランプなど赤身が中心の部位に特によく合います。爽やかな酸味と香りが、肉のジューシーさを際立たせてくれますよ。
玉ねぎソース
玉ねぎソースは、玉ねぎの甘みとコクがステーキを引き立てるソースです。家にある材料で簡単に作れるのも嬉しいポイントです。
作り方は、ステーキを焼いたフライパンに、玉ねぎのみじん切り2分の1個分を入れて中火で炒めます。しんなりしてきたら、醤油大さじ2杯、みりん大さじ1杯、酒大さじ1杯を加えて煮詰めます。お好みで少しクミンを加えると、スパイシーな風味がプラスされて大人の味になります。
ソース作りのポイント
ステーキを焼いたフライパンをそのまま使うことで、肉の旨みがソースに移って美味しくなります。フライパンに残った脂や焦げ付きも、旨みの素なんです。
ソースは強火で素早く作るのがポイントです。じっくり煮込むと、せっかくのステーキが冷めてしまいますからね。
和牛は脂が多いので、ソースはあっさり系のほうが相性が良いことが多いです。濃厚なソースは、脂が少ない輸入牛に向いています。
和牛ステーキに合う付け合わせ
ステーキだけでも十分ごちそうですが、付け合わせを添えることで栄養バランスも良くなりますし、見た目も華やかになります。おすすめの付け合わせをご紹介しますね。
グリル野菜
グリル野菜は、ステーキの定番付け合わせです。シンプルに焼いた野菜は、和牛の味わいを邪魔せず、口の中のバランスを保ってくれます。
おすすめの野菜は、ズッキーニ、パプリカ、ブロッコリー、アスパラガス、エリンギなどです。彩り豊かな野菜を選ぶと、見た目にも美しく食欲をそそります。
作り方は簡単で、野菜を食べやすい大きさに切って、オリーブオイルをまぶし、塩コショウをふってフライパンで焼くだけです。ステーキを焼く前に先に焼いておくと、スムーズに盛り付けられますよ。
ローストポテト
ふっくらと焼き上げたポテトは、和牛ステーキとの相性抜群です。特にガーリックバターやローズマリーといったハーブを加えてローストしたポテトは、ステーキのリッチな風味を引き立てます。
作り方は、じゃがいもを一口大に切って、オリーブオイルをまぶし、塩コショウとローズマリー(またはタイム)をふって、200度のオーブンで30分から40分焼きます。途中で一度混ぜると、均一に焼けますよ。
冷凍フライドポテトを使う場合は、タイムやにんにくと一緒に揚げると、ごちそう感がアップします。最後にざるでふって、ハーブをまぶすのがポイントです。
マッシュポテト
なめらかなマッシュポテトも、ステーキの定番付け合わせです。肉の旨みとポテトのクリーミーさが、口の中で一つになって幸せな味わいになります。
作り方は、じゃがいもを茹でて潰し、温めた牛乳とバターを加えて混ぜます。塩コショウで味を調えたら完成です。お好みで生クリームを加えると、さらにリッチな味わいになりますよ。
サラダ
新鮮なサラダを添えると、さっぱりとした箸休めになります。特にルッコラやベビーリーフなど、少し苦味のある葉物野菜は、脂が多い和牛との相性が良いです。
ドレッシングは、シンプルにオリーブオイルとレモン汁、塩だけで作るのがおすすめです。和牛の味を邪魔しない、さっぱりとした味わいになります。
部位別の焼き方のコツ
和牛ステーキといっても、部位によって特徴が違うので、焼き方も少し変える必要があります。部位別のコツを知っておくと、よりその肉の良さを引き出せますよ。
サーロインの焼き方
サーロインは程よいサシが入っていて、柔らかく、ステーキの王道ともいえる部位です。基本の焼き方で十分美味しく焼けます。
サーロインは脂が適度にあるので、フライパンに油を少なめにしても大丈夫です。肉自体から脂が出てくるので、むしろ油を控えめにしたほうが、脂っこくならずに食べやすくなります。
ミディアムレアからミディアムくらいの焼き加減がおすすめです。サシの脂が程よく溶けて、口の中でとろける食感が楽しめます。
リブロースの焼き方
リブロースはサーロインよりも脂が多めで、濃厚な味わいが特徴です。脂が多い分、焼くときには注意が必要です。
フライパンに油は少量、または牛脂を使うと良いでしょう。焼いている間に出てくる脂は、キッチンペーパーで吸い取りながら焼くと、ベタつかずに仕上がります。
リブロースもミディアムレアくらいがおすすめですが、脂が気になる方はミディアムまでしっかり焼いても美味しいです。脂がしっかり溶けて、コクのある味わいになります。
ヒレ(フィレ)の焼き方
ヒレは最も柔らかく、脂身が少ない部位です。あっさりとした味わいが特徴なので、焼きすぎないように注意が必要です。
脂が少ない分、フライパンには油をしっかり引いてください。オリーブオイルや太白ごま油がおすすめです。
ヒレはレアからミディアムレアが最もおすすめの焼き加減です。焼きすぎると固くなってしまうので、早めに火を止めて余熱で火を通すくらいがちょうど良いんです。
ヒレは厚切りで食べると、柔らかさと肉の旨みを存分に楽しめます。3センチ以上の厚さがあると、より豪華な一品になりますよ。
ランプやイチボの焼き方
ランプやイチボはお尻周辺の部位で、赤身が中心です。肉本来の旨みを楽しめる、通好みの部位と言えます。
赤身肉は脂が少ないので、油をしっかり使って焼きます。強火でしっかり表面を焼き固めて、肉汁を閉じ込めることが大切です。
ミディアムレアからミディアムくらいの焼き加減がおすすめです。レアだと少し固く感じることがあるので、中までしっかり火を通したほうが、赤身の旨みが引き立ちます。
ランプやイチボには、和風おろしソースなどあっさり系のソースが良く合います。赤身の味わいを邪魔しない、シンプルな味付けがベストです。
厚さ別の焼き方のポイント
ステーキの焼き方は、厚さによっても変える必要があります。厚さ別のポイントを押さえておきましょう。
1センチから1.5センチの薄めのステーキ
薄めのステーキは、火が通りやすいので焼きすぎに注意が必要です。強火で両面を30秒ずつ焼けば、ミディアムレアくらいになります。
薄い肉の場合は、片面だけしっかり焼いて、もう片面は軽く焼く程度にする方法もあります。こうすることで、焼きすぎを防げます。
筋切りをしないと反り返りやすいので、赤身と脂身の境目に3センチおきくらいで切り込みを入れておきましょう。
2センチから3センチの標準的なステーキ
2センチから3センチの厚さは、家庭で焼くステーキとして最も扱いやすいサイズです。基本の焼き方で美味しく焼けます。
両面を強火で30秒から1分ずつ焼き、その後弱火で1分から2分焼けば、ミディアムレアからミディアムくらいになります。
この厚さなら、休ませている間の余熱でも程よく火が通るので、焼きすぎるリスクが低く、初心者にもおすすめのサイズです。
4センチ以上の厚切りステーキ
4センチ以上の厚切りステーキは、見た目のインパクトも大きく、特別感があります。ただし、中まで火を通すのに時間がかかるので、焼き方に工夫が必要です。
両面をしっかり強火で焼き色をつけたら、弱火にして蓋をして、じっくり中まで火を通します。または、オーブンを使う方法もあります。
フライパンで両面と側面を焼いたら、180度に予熱したオーブンに入れて10分から15分焼きます。この方法なら、中まで均一に火が通りやすいです。
厚切りステーキは、休ませる時間も長めに取りましょう。10分くらい休ませると、中心まで余熱が行き渡ります。


ステーキをさらに美味しくする工夫
基本の焼き方をマスターしたら、さらに美味しく食べるための工夫を取り入れてみましょう。ちょっとしたアイデアで、いつものステーキが格段に美味しくなりますよ。
ハーブやスパイスを使う
焼くときにハーブやスパイスを加えると、香り豊かなステーキになります。ローズマリーやタイムといったハーブは、和牛ステーキとの相性が抜群です。
フライパンに油と一緒にハーブを入れて香りを移してから焼くと、肉にも良い香りがつきます。また、焼いている最中に新鮮なハーブの枝を肉の上に置くという方法もあります。
黒コショウを粗挽きにして肉にまぶしてから焼く、ペッパーステーキも人気があります。ピリッとした刺激が、肉の旨みを引き立てますよ。
バターで風味づけ
焼き上がりの仕上げにバターを加えると、コクと風味が増してワンランク上の味わいになります。
肉を裏返した後、フライパンにバターを10グラムくらい加えます。バターが溶けたら、スプーンですくって肉の上にかけながら焼きます。これを「アロゼ」といって、フレンチの技法なんです。
にんにくのスライスやタイムと一緒にバターを溶かすと、さらに香り高く仕上がります。
ガーリックチップを添える
焼く前にニンニクのスライスをオリーブオイルで揚げて、カリカリのガーリックチップを作っておきます。これをステーキに添えると、見た目も味も格段にアップします。
ガーリックチップを作ったオイルで肉を焼けば、ニンニクの香りが移って美味しいですし、一石二鳥ですね。
岩塩や特製塩で味変を楽しむ
ステーキを切り分けて盛り付けたら、仕上げに岩塩やハーブソルトを添えるのもおすすめです。一口ごとに違う塩で味を変えて楽しめます。
抹茶塩やゆず塩、わさび塩など、和風の塩を使うと和牛の旨みがさらに引き立ちます。塩の種類を変えるだけで、味わいのバリエーションが広がって飽きずに食べられますよ。
失敗したときの対処法
どんなに気をつけて焼いても、失敗してしまうことはあります。でも大丈夫、対処法を知っていれば、失敗してもリカバリーできます。
焼きすぎてしまった場合
焼きすぎて肉が固くなってしまった場合、残念ながら元の柔らかさには戻せません。でも、食べ方を工夫すれば美味しく食べられます。
一つは、ソースをたっぷりかける方法です。赤ワインソースやデミグラスソースなど、濃厚なソースで肉を覆えば、パサつきが気にならなくなります。
もう一つは、薄くスライスして食べる方法です。薄く切ることで、固さが緩和されて食べやすくなります。サラダの上にのせたり、サンドイッチにしたりするのも良いですね。
火が通っていない場合
切ってみたら中が生すぎた、という場合は、もう一度焼き直せば大丈夫です。切ってしまった場合でも、フライパンに戻して追加で焼けば火が通ります。
または、電子レンジで20秒から30秒ずつ加熱する方法もあります。ただし、長く加熱すると固くなってしまうので、様子を見ながら少しずつ加熱してください。
焼き目がつかない場合
焼き目がつかない原因は、ほとんどの場合、フライパンの温度不足です。もう一度フライパンをしっかり熱して、強火で焼き直してみてください。
肉の表面に水分が多すぎる場合も、焼き目がつきにくいです。キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ってから焼き直しましょう。
ステーキを盛り付けるコツ
美味しく焼けたステーキは、盛り付け方にもこだわりたいですよね。見た目が美味しそうだと、味も美味しく感じるものです。
切り方のポイント
ステーキを切るときは、肉の繊維に対して直角に切るのが基本です。繊維を断ち切るように切ることで、食べたときに柔らかく感じます。
厚さは1センチから1.5センチくらいが食べやすいです。あまり薄く切りすぎると、せっかくのステーキらしさが失われてしまいます。
切るときは、よく切れる包丁を使いましょう。切れ味の悪い包丁だと、肉を押しつぶしてしまって、肉汁が出てしまいます。
お皿の選び方と盛り付け
ステーキを盛り付けるお皿は、温めておくのがベストです。熱いお皿に盛り付けることで、ステーキが冷めにくくなります。
お皿の色は、白や黒などシンプルなものが肉の色を引き立てます。大きめのお皿を使うと、余白ができて高級感が出ますよ。
盛り付けは、肉を中央に置いて、周りに付け合わせの野菜を彩りよく配置します。ソースは肉の上から全体にかけるより、お皿の一部にかけたり、別の器で添えたりするほうが、見た目が美しくなります。
仕上げの演出
仕上げに、パセリのみじん切りやクレソンを飾ると、彩りが加わって華やかになります。粗挽き黒コショウをパラリとかけるのも、見た目が引き締まって良いですね。
レモンのくし切りを添えると、食べるときに絞ってさっぱりと味変できます。特に脂が多い和牛には、レモンがよく合いますよ。
ステーキを楽しむための豆知識
ステーキをもっと楽しむために、知っておくと役立つ豆知識をいくつかご紹介します。
ステーキに合うワイン
和牛ステーキには、赤ワインが定番ですが、選び方にもコツがあります。脂が多い和牛には、タンニンがしっかりした赤ワインを合わせると、脂を洗い流してくれて口の中がすっきりします。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった品種のワインがおすすめです。フルボディの濃厚なワインが、和牛の濃厚な味わいに負けません。
あっさりした赤身肉のステーキなら、ピノ・ノワールなど軽めの赤ワインも合います。肉の味わいに合わせて、ワインを選んでみてくださいね。
食べる順番と食べ方
ステーキは、温かいうちに食べるのが一番美味しいです。盛り付けたらすぐに食卓に出して、熱々のうちに楽しみましょう。
食べるときは、まず何もつけずにそのままの味を楽しんでください。和牛本来の旨みや甘みを感じられます。次に、塩やソースで味を変えながら食べると、最後まで飽きずに楽しめますよ。
一口サイズに切ったら、付け合わせの野菜と一緒に食べると、栄養バランスも良くなりますし、口の中がさっぱりします。
残ったステーキのアレンジ
もし食べきれずにステーキが残ってしまったら、翌日にアレンジして楽しみましょう。
薄くスライスして、サラダの上にのせたステーキサラダは、ヘルシーで美味しいランチになります。ドレッシングは和風がおすすめです。
細かく刻んで、炒めた玉ねぎと一緒にご飯に混ぜ込めば、豪華なステーキチャーハンになります。残った肉の脂もご飯に絡んで、これがまた絶品なんです。
サンドイッチにするのも良いですね。パンにマスタードを塗って、レタスとトマトとステーキを挟めば、贅沢なステーキサンドの完成です。
よくある質問
和牛ステーキを焼くときによく聞かれる質問にお答えします。
冷凍肉と生肉、どちらが美味しい?
一般的には、生肉(チルド肉)のほうが美味しいとされています。ただし、急速冷凍された肉なら、品質はほとんど変わりません。
大切なのは解凍方法です。冷蔵庫でゆっくり解凍すれば、生肉とほぼ同じ美味しさで食べられます。電子レンジ解凍や常温解凍は避けてくださいね。
肉を柔らかくする方法はある?
和牛はもともと柔らかいので、特別な処理は必要ありません。むしろ、筋切りなどで繊維を壊さないほうが良いです。
ただし、焼く前に常温に近づけすぎたり、焼きすぎたりすると固くなります。冷たいまま焼き始めて、焼きすぎないことが、柔らかく仕上げるコツです。
ステーキを焼くのに最適なフライパンは?
厚手の鉄製フライパンが最もおすすめです。高温に強く、熱ムラが少ないので、きれいな焼き目がつきやすいです。
テフロン加工のフライパンでも焼けますが、高温調理に向いていない製品もあるので注意してください。取扱説明書を確認しましょう。
ステンレス製のフライパンでも焼けますが、肉がくっつきやすいので、油をしっかり使う必要があります。
何人分をまとめて焼ける?
一度に焼く肉の量は、フライパンの大きさによりますが、基本的には1枚から2枚がおすすめです。
たくさんの肉を一度に焼こうとすると、フライパンの温度が下がりすぎて、きれいな焼き目がつきません。面倒でも、1枚ずつ丁寧に焼いたほうが美味しく仕上がります。
プロの料理人が教える最後のコツ
最後に、プロの料理人たちが口を揃えて言う、とっておきのコツをお伝えします。
数字に頼りすぎない
レシピには「強火で何分」と書いてありますが、肉の状態や家庭のコンロの火力は千差万別です。数字に縛られすぎず、目の前の肉の状態を見て判断することが何より大切です。
焼き色や香り、音、触った感触など、五感をフルに使って肉の状態を確かめましょう。経験を重ねるうちに、自然と感覚がつかめてきますよ。
失敗を恐れない
ステーキは、何度か焼いてみて初めてコツがつかめる料理です。最初から完璧に焼こうとせず、失敗しても気にせず、次に活かせば大丈夫です。
「今回は焼きすぎたから、次はもう少し早めに火を止めよう」「もっとフライパンを熱してから焼こう」など、振り返りながら改善していくことで、どんどん上達していきます。
肉を信じる
良い和牛を選んだら、あとは肉を信じて、シンプルに焼くだけで十分です。余計な手を加えすぎず、肉本来の旨みを引き出すことに集中しましょう。
塩だけで焼いた和牛ステーキの美味しさは、言葉では言い表せないほどです。高級な肉なら、塩とコショウだけで最高のごちそうになります。
最後に
ここまで、和牛ステーキの焼き方について、下ごしらえから焼き方、休ませ方、ソースや付け合わせまで、たくさんのことをお伝えしてきました。
一見難しそうに思えるステーキですが、基本のポイントさえ押さえれば、誰でも自宅で美味しく焼けるんです。大切なのは、フライパンをしっかり熱すること、強火で焼き目をつけること、焼いた後にきちんと休ませること、そして肉の状態を見て判断することです。
最初は失敗することもあるかもしれませんが、何度か焼いているうちに、自分なりのコツが見つかってきます。そうなったら、もう怖いものなしですね。
特別な日のごちそうとして、また頑張った自分へのご褒美として、ぜひ和牛ステーキに挑戦してみてください。自宅で焼いた極上のステーキは、レストランとはまた違った美味しさと満足感があります。
家族や大切な人と一緒に、美味しいステーキを囲んで笑顔になれる、そんな幸せな時間を過ごしてくださいね。
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